最終更新日 2024年11月20日 by keitui
専門家である前田裕幸が解説します
ここ数年において日本訪れる外国人の観光客の数は非常に増えていて、実際に町を歩いていても外国人を見かける機会も多くなってきたことでしょう。
2017年の1年間に日本を訪れた外国人の数は過去最高記録をたたき出し、2013年に比べると約3倍近く増えたことになります。
外国人の観光客数の国別のランキングを見てみると、2016年の時点で日本は世界の15位にランクインしていて、このまま3000万人を超えると世界では10位以内に入ることが予想されています。
日本政府は2020年までに外国人観光客数を4000万人まで引き上げることを目標にしていますが、このまま増加傾向が続けば十分に達成の見込みがあるといえるでしょう。
なぜこれまでに外国人観光客が増加しているのかというと、その理由は様々なことが考えられますが、まず第一に円安の影響によるものが考えられます。2011年には円は戦後最高値を記録しましたが、2014年以降は120円前後を維持しています。
このような円安の影響が、日本へ行ってみたいというきっかけにつながるえるでしょう。
中国元と日本円のレート比べた場合には、円が下落した2014年以降では、2011年に旅行した場合と比べると約3分の2ほどの費用で日本に観光に訪れることができます。
円安になればなるほど日本の商品は安く感じられるようになり、これが外国人の拡大につながったとも言えるでしょう。
LCCによる運賃の下落
そしてLCCによる運賃の下落も大きな影響をとなっています。
LCCは格安な運賃体系で人気を集め、就航路線数は大幅に増えています。
国外の航空会社を含めれば、20以上の国や地域と羽田空港が一本で結ばれるようになりました。
これをきっかけに大手航空会社の運賃の引き下げに取り組むようになり、日本への飛行機運賃が非常に安くなったことが、外国人観光客の増加につながったといえるでしょう。
そして経済的な問題ではなく、日本への関心が高まったことも大きく影響しているといえます。
外国人の中には日本の商品に魅力を感じている人が多く、アニメやゲームだけではなく、コスメやファッショングッズなども大人気です。
近年では日本のかわいらしい文化が、海外の若者に大きな影響を及ぼしています。
さらには2013年に和食が無形文化遺産に登録されたこともあり、日本の食文化に関心も高まっているといえるでしょう。
多くの中国人が日本を訪れやすくなった
そしてビザの緩和によるものです。
外国人観光客のうちアジアから日本へ訪れる外国人は全体の約4分の3を占めています。
その中でも最も多いのが中国人であり、2009年から日本の政府は中国の富裕層に向けて個人旅行のビザの発給を開始しました。
さらに2015年にはビザの条件が緩和されたことにより、多くの中国人が日本を訪れやすくなったといえます。
そして日本を訪れた外国人観光客の多くは日本への満足度が高く、調査によると「必ずまた訪れたい」「また訪れたい」と回答した割合が90パーセント以上になりました。
実際に日本に来る観光客の約6割がリピーターで、特に香港や台湾からの観光客の8割、シンガポールからの観光客の7割はリピーターです。
そして近年では外国人が選ぶ観光ルートにも変化が見られます。
以前までは東京や富士山、京都、大阪などの主要な観光地を巡るルートが人気を上げていましたが、近年では飛騨高山や白川郷などのルートなど、SNSでの口コミの情報を参考に地方を訪れる観光客が増えています。
その一方で体験型のルートも非常に増えていて、日本ならではの茶道や華道、忍者体験や農業体験などが人気のスポットになりました。
外国人観光客が訪れる観光スポット
外国人観光客が訪れる観光スポットは、日本でも有名な所が多く見られますが、実は日本人からは意外と思われる人気の観光スポットも存在しています。
その一つが東京新宿にある「サムライミュージアム」です。
2015年4月にオープンしたばかりの施設で、館内には日本刀や鎧兜などが展示され、実際にこれらを身につけて写真撮影ができるスタジオもあります。
日本の和の文化を気軽に体験できる点が人気を集めているといえるでしょう。
そして二つ目には京都の「ギアーGEAR」が挙げられます。
物語にダンスやマイム、マジックなどを織り交ぜた言葉を持たない体験型の舞台で、国籍や年代を問わず、幅広い人気を獲得し、公演回数は2000回を超えています。
そして秋葉原にある完全予約制のフクロウカフェ「アキバフクロウ」も人気のスポットです。
実際にフクロウと触れ合うことができるカフェということで、外国人から大きな人気を集めています。
欧米では動物愛護の面から規制が厳しいので、この状態は非常に珍しく人気の要因にもなっているといえます。
このように日本人にとっては珍しい施設でも、外国人にとっては珍しいことから一気に人気に火がつくところもあります。
これからも日本人に訪れる外国人の観光客の数はますます増えると前田裕幸は言っています。